L-4S λラムダロケット&ランチャ 作図編
L-4S λ = Lambda Rocket & Movable Launcher
先の日曜深夜にレッドブルエアレースの録画が放映されましたが、レース後の3DCG合成はやっぱスゴいです!
室谷選手も目標クリア出来た事だし来年がさらに楽しみ・・・もっと放映増やしてくれると良いんですが(^^)
え〜っと・・・トムキャット上げてからぼーっとしてた訳じゃなく、色々やりかけのを引っ張り出したり仕舞ったり。
・・・って仕舞うな オイッ!!( #` ¬´#)ノ
P144展示会まで残すところ20日を切りましたし、今さら新作なんかムリかな〜などと思いつつも、何か手を付けないとプチ後ろめたさも感じるので、去年の秋からず〜っとクスブッてたコイツを始めました。
記念すべき国産初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げたラムダロケットです。
1957年のソ連Sputnik 1が世界初、翌年アメリカのExplorer I、’65年フランスのAesterix 1に続いて’70年2月に「おおすみ」を打ち上げた日本は、世界で4番目の国産人工衛星打ち上げ国なんです。ただその2ヶ月後に中国が追従してますけど(笑)
戦勝国に負けじとロケット分野では頑張ったんです日本は!あなたとは違うんです!てのは置いといて・・・
詳しくはwikiでも読んで頂くとして、「おまいら負けたからも〜飛行機作っちゃダメ!」宣言された戦後の日本が、欧州各国と違いほぼドイツの技術抜きで完成させた誇るべきロケットですから、もっと取り上げられて然るべきなんですが今イチ認識されてませんね。
少なくとも教科書に載せるべきだぞこれは(笑)
まぁ前代未聞の重力ターン方式とか、すぐにバッテリがアガって只の鉄塊になってしまったとか色々触れたい小ネタはありますが・・・政治的/予算的理由によりなかなか液体ロケットを開発出来なかった日本が、その代わり?として固体ロケットの技術を培って来た経緯等も大変アツくて面白く、興味ある方は宇宙へのパスポート 2を読んで頂くとかなり燃えること請合い。
本体はNewWareから文句なしのレジンキットが出てるのでもちろんそれを使用。
相変わらず反りも気泡も無く綺麗に成型されてます。
でもデカールはアメ機と違ってALPS印刷なのがチョト悲し。やっぱ向こうじゃ売れないのでしょかね?
144だと鉛筆サイズでちょっと頼りない感じですが・・・これでも4段式ロケットなんです(^^)
本体はフィン付けるだけで完成なんで速攻で片付くとして、問題はランチャの方・・・
イヤ〜これがまた流行の建機テイスト満載でテラカッコイ〜んスわ(^^)
四つ足のシルエットにキャビン付き、長い油圧ブームで仰角可変にキャビンごと旋回も出来るってんで見た目は巨大ミサイル戦車、これでキャタピラさえ付いてたら1/35でキット化間違いなしってくらいの代物ですけど(ホントか?)、残念ながらガレキすら存在しないモヨ〜です。
おまいら!梅花や桜花なんてデリケートで微妙なアイテムをキット化するくらいならこっち先だろ普通 m9(・∀・)ビシッ!!
・・・という個人的見解は胸にしまい、仕方なくプラ板でシコシコ作るワケです。
ランチャの実物は上野の科学博物館に屋外展示されてるので資料には困らないかと思ったんですが、そこはそれ、基準となる3面図も無い訳で、まずはイチから図面を起こさねばなりません。
ちなみに、去年科博に行って撮って来たディテール写真はサイトの方にアップしてますんで何かのお役に立てて下さい。
幸い?L-4Sロケットの寸法図はあちこちに載ってますので、これを144スケールに換算してガイドとし、Illustratorで大体の側面図/平面図を描きます。
あくまで3Dソフトでモデリングする為の荒削り用ですので、真横と真正面に近い写真から大体の大きさを割り出して行きました。
Illustratorで基本形状が出来たらいつも通りShadeに読み込んでモデリングして行きます。
形状を把握しやすい写真をコントラスト強調処理してテンプレートとしてShadeに読み込み、透視図の画面上でバーチャルカメラの視点や焦点距離を撮影時の状態に大体合わせ、テンプレートの画像になるべく合う様に平面/立面図上で形状を修正していきます。
3Dソフトならではの立体テンプレート方式?・・・他にこんなコトやってる方は見たコト無いですが(^^)
この際読み込むテンプレート画像の水平線がきっちりと水平になる様に加工して置く事が重要です。
この辺りの段取りや手順について、上手に伝えられてる自信が全く無いのは毎回のコトですが、もしも詳しく知りたい方がいらっしゃったらコメなり私信なり下さればなるべく解り易くお伝えしますんで・・・<(_ _)>
今回も元になる形状が基本的に直線なんで楽かと思いつつ、旋回/仰角と可動軸が2つもあるのでパースに合わせる基準が掴めず、かなりナンギな事になりました。
アングルが1つだけだと誤差も大きくなるので別角度のテンプレと差し替えながらあちこち修正して行きます。
レンズの歪みや微妙な画角の違いもあるので中庸点を見つけ、大きくバランンスが崩れない様にするのがコツでしょうか。
ついでに、参考にするテンプレート画像ごとにバーチャルカメラの焦点距離/視点位置をメモリして置かないと後で泣きを見ます。
今回はこの他に2枚程のテンプレ画像を使いました。
脚の形状とブームの長さが最後まで合いませんでしたが、キリが無いので大体の所で諦める様にしましょう。
テストレンダリングがこんな感じ・・・前方からアオリで見るとまた迫力ありますね(^^)
大体の形状が決まった所で3面図をDXFで書き出し、再びIllustratorに読み込みます。
実はココまでが去年の暮れのお話・・・(^^)
ところが、その後イジイジと空き時間にググってたらランチャの図面を発見・・・なんとCiNiiと言う論文サーチエンジンで見つけた東大宇宙研の論文に載ってるんですワ(^^)
他にもCiNiiで捜すと参考になる資料がポロポロと出て来て・・・まぁグラフや数式羅列の、かなりネムたい論文が主になりますが、中にはランチャの発射レールの構造詳細図やブースター分離用爆破ボルトの開発秘話、発射基点に掘られた噴射炎を逃がす為のトンネル状の火炎壕の図面まで見つかってジオラマ派には有り難いコトです、脱線しつつも勉強になります(笑)
で、その図面を元に修正したのが下の図です。
やってみると結構あちこち違ってましてね・・・図面化する上で努めて客観的なつもりだったんですが、言われてみるとそうだよね的な勘違いを幾つか発見する事が出来て非常にすっきりしました。
ただ、この図面も極初期仕様?の様で、おおすみを打ち上げたL-4S 5号機用の改修箇所は反映されていないので科博に展示されている実機と照らし合わせる必要があります。
また、科博のランチャも展示固定用のステーや補強リブがあちこちに溶接されていたり、形状に変更が加えられている部分が多いので逆に当時の写真と照らし合わせて不要な部分を排除する必要もありました。
そうした一連の作業をしていると、前途の論文に記載されている内容等も何処をどうしたかが具体的に解って来て楽しい物です。
ついでに先日H-IIB打ち上げ成功記念に作ったデータに読み込んでレンダリングしてみました。
やはりH-IIの大きさを改めて認識してしまいますが、ラムダロケットはランチャ込みでも1/144で手頃な大きさと言えます。
ロケットとランチャの大きさバランスも適度だし、形状的にメリハリがあるので非常に立体映えするデザインだし、ポリキャップ仕込んで可動メカ+色プラ成型にすれば絶対売れると思うんですけど〜!アポロのついでに出しちくらさい<(_ _)>
と言う訳で、コレを見たバンダイさんが新金型キット発売する前に完成させねばならないプレッシャーと戦って行きます。
・・・え?その心配はナイですか?(j_j)
え〜と、なんか前置きのつもりが長くなっちゃったんでプラ板切り貼り製作は次回(たぶん明日)にします。
L-4Sの導入編は去年とっくにblogにあげてたと思ってたのですが、BBSに散らし書きしただけの様なので・・・
うひゃぁぁ!
すごいレンダリング!。
このランチャー、フルスクやっちゃうの?
すっげー!。
これはワクワクだ!。
>apuroさん
残念ながらフルスクしかないスね〜
ウジウジ考えてるだけじゃ何も残んないんで、せ〜ぜ〜ガンガリま〜す
完成させるだけで(恐らく)世界一になれる訳ですねぇ(笑)
お初にコメントさせて頂きます。
仰るとおり、ラムダは見栄えがよく、是非立体化されて欲しいロケットですね!
今回、ランチャのフルスクラッチに挑まれるということで、非常にワクワクしております。
完成を楽しみにしております。
>IVAN KEDRSKIEさま
奨励のお言葉、誠に感謝です。
やはり誰かに見て貰いたくて公開している訳ですから、一言一言が大げさで無く大変励みになります。
昨今のプラモの新製品は、ジャンルに限らずキット化されていない穴埋め的なラインナップ一本槍と言う印象で(無論ある程度の楽しみはありますが)どんどんマイナー指向に傾くばかり、ひたすら終焉を先延ばしにしているだけと言う印象を拭えません。
飛行機として魅力的なアイテムは残り少ないかもしれませんが、模型として魅力的なアイテムならまだまだやり放題なのになぁと言う思いは常々抱いております。
実はレッドストーンの時もそうでしたが、ロケットの製作記を始めると普段模型に接していない方面からの反応が如実に増えるのです(^^)
今の子供たちにとっては、第二次大戦も源平合戦もさして変わりない過去の歴史的事実となっている感もありますし、重機やトラックの模型がジワジワ盛り上がりを見せているのも、今まで未開拓だったジャンルと言う理由以外に、ミリタリー以外の模型でも受け入れる層が出来つつあるからでは?とも感じます。
青臭い理想論に過ぎないかもしれませんが、売れないから出さないでは無く、出したいから売る方法を考える様な新興メーカーが増えてくれる事を願っています(^^)
ラムダのランチャーがかっこいい、と思う人はいるんですねぇ。
今月のモデグラで大串信という方も語ってますね。
”おおすみ”が成功したのは、小学校4年の時でした。アポロとは比べようもない規模でしたが、純粋に
”カッコイイ!”思ってましたね。成功して凄く嬉しかったのを覚えています。
このラムダロケットのキットですが、私も最近大阪の某模型店で見つけまして、”こんなんあるんかい!”と驚いたものです。ランチャー付きならいいのに、と思ってました。
キットを製作中とのこと。50直前のおっさんも応援してますんで、どうか完成を!
このHPに辿り着けたことを非常に喜んでおります。上野にあのランチャが展示してあるなんて、全然
知りませんでした。またひとつ計画ができました。
>マジックバスさん
はじめまして、応援カキコ感謝です〜
明日はP144展示会ですが作り掛けのコイツは持っていかないコトにしました。
最近終戦後の日本のメカに興味を持ってます。
宗谷やYS-11、新幹線等も開発経緯を調べると、単なる懐古趣味は別としても燃えますね〜
弾道ミサイルの流用ではない衛星打ち上げロケットは世界でも珍しいですし、何よりラムダって名前がカコイーじゃないですか(^^)
上野のランチャですが、よく見ると固定展示の為に各所に補強のリブやフランジ等溶接しまくりなので、稼働時の状態を考えて整理をしないと資料と出来ませんが、やはりホンモノですから目の前にするとなかなか感動します。
もはや私も充分オッサンですし、どうぞ今後の成り行きを暖かく見守って下さいまし(^^)
上野まで新幹線に乗って、ラムダ4sロケット、ラムダランチャーの写真と、調査に行きました、1/24ラムダ4sロケットと、ラムダランチャーのミニチュア模型を自作して、市販の模型固体燃料ロケットエンジンで120m、飛行させています、カッパー7、カッパー9M、ミュー3s、ミュー5もロケットとミューのランチャーも自作しています、クレーンを改造したラムダのランチャーには、いかにも無骨でそれが魅力のひとつです、1970年の大阪万博の年に戻ったような気分になります、
お久しぶりです!
ラムダロケットですが、なんと青島文化教材からキット化されるそうです!
http://ameblo.jp/aoshima-kumablog/
楽しみですね!
IKEさんの作る144スケールも見てみたいです!
Ivan Kedrskieさま
うん、よくぞキット化してくれた!とまずは喜びつつ(^^)
なんで1/150なのか?とかCG見る限りチョイとディテール甘く無い?本気出してヨ・・・
とかイロイロ感想は有る物の、どうせ中断&蜜柑の自家製モデルに流用するつもりで発売を楽しみにしてます。4月?らしいので静岡には間に合わない・・・よなぁ。
こっちは去年からMVの自作企んでるんで(笑) 完成したら褒めてやって下さい。